5つの試験からパウチセルの性能を考える
パウチセルの性能は公称容量だけでは判断できません。放電レート、低温時の電圧、容量維持率、安全試験への応答を合わせて評価し、材料分析を補足的な根拠として扱います。本稿では約5.2 Ahのパウチセル2個の第三者試験記録をもとに、容量、レート、低温、サイクル、釘刺しの結果を検討し、主要な比率を再計算します。型番、ロット、全生データ、一部条件が不明なため、結論はこの試料群に限られ、Green Battery製品の仕様を示すものではありません。
以下では試験条件、報告値、独立した計算を分けて説明します。要約図は開示された離散値から作成したもので、新たな実験結果ではありません。レート曲線、釘刺し写真、材料分析画像は第三者試験の記録として扱います。

報告された数値を整理した図であり、連続放電曲線や新規実測ではありません。
1. 試料と条件を確認する
充電終止4.2 V、放電終止2.75 V。容量、低温、安全試験の一部は1C、サイクルは3Cと記載されています。Cレートの基準容量、常温、休止、拘束圧、冷却、計測精度は十分に開示されず、正確な電流と手順を再現できません。
#1は118 × 40 × 10 mm、初期電圧3.812 V、内部抵抗1.7 mΩ。抵抗の交流・直流方式、SOC、温度が不明なので、比較可能なDCIRと呼び替えないでください。寸法、質量、電圧、抵抗を同じ試料記録に対応させます。
2. 容量と質量エネルギー密度
分容試験の1C放電は#1が5178.6 mAh、中間電圧3.7906 V、充電定電流比91.41%;#2は5215.0 mAh、3.7868 V、91.87%です。容量差36.4 mAhは平均の約0.70%。2個が近いことだけでは量産分布やペアの均一性は証明できません。
質量118.39 g、166.80 Wh/kgも記載されますが、試料との対応と積算Whが明確ではありません。E=∫V I dtとE/質量で確認します。中間電圧×容量は概算で、エネルギー積分の代わりではありません。
3. レート容量保持率の分母を確認する
#2の放電容量は0.5Cで5243.6 mAh、1Cで5220.8、3Cで5220.9、5Cで5222.4 mAh。1C、3C、5Cの充電定電流比は95.57%、88.56%、84.05%で、5C放電後に膨れなしと記録されています。前節の分容試験とは分けて扱います。
報告値では5C/1Cが99.60%とされていますが、5222.4/5220.8は約100.03%、5222.4/5243.6は約99.60%です。後者は0.5C基準です。100%をわずかに超えても高レートが容量を生む証拠ではなく、温度、順序、再現性、分解能を検討します。Wh、負荷電圧、温度、反復試料も必要で、膨れなしだけでは安全性を結論できません。

レート試験の充放電曲線。図中の表示を保っています。各点のデータは開示されていません。
4. 低温放電と低温充電を分ける
−20°C、1Cの#2放電は4904.4 mAh、中間電圧3.4378 V、報告保持率93.66%。常温の分母は明確に対応していないため、報告値として残します。電圧も下がるので容量保持がエネルギー・出力保持と同じとは限りません。
別の−20°C、1C充電記録は4443.6 mAh、報告保持率84.99%、定電流比4.87%。充電量は後の放電可能容量ではなく、一般的な低温充電の許可でもありません。低温充電にはリチウム析出のリスクがあります。歴史的な記録の分析であり、許容条件は個別仕様と設備を備えた試験室で確認します。
5. 125サイクルから全寿命を外挿しない
#1は3Cと記載された125サイクルで保持率98.14%、充電定電流比86.65%。充放電が両方3Cか、定電圧終止、温度、休止、容量再測定は不明です。その試料のその時点の結果であり、500回、1000回、使用年数を保証しません。
容量に加えてエネルギー、抵抗、厚さ、温度、異常を追跡し、寿命終点を先に定義します。容量低下が小さくても他の故障を排除できません。
6. 釘刺しの失敗結果も結論に含める
サイクル後の#1は1Cで満充電後に釘刺しされ、発火、濃煙、最高396°Cが記録されています。良好なレート容量や初期サイクル保持は、この異常試験の結果を相殺しません。
釘径、速度、位置、拘束、温度センサー位置、適用規格が不足し、規格適合の合否までは判断できません。これは破壊的な実験室試験であり、一般利用者向けの操作説明ではありません。




